6月20日付けの新聞各紙によると、6月19日晩に芸備線が三度も鹿と衝撃したとのことです。
6月20日付けの『毎日新聞』Webの記事から事実部分を引用します。
(以下引用)
JR西によると、19日午後8時56分ごろ、広島発三次行き快速列車(3両)が、井原市−向原間で線路上にいたシカと接触。約15分後に運転を再開したが、午後9時35分ごろ、甲立−上川立間で再度シカとぶつかった。運転士と乗客約30人にけがはなかった。
午後9時28分ごろには、広島発三次行き普通列車(3両)も中深川−上深川間でシカと接触したが、けが人はなかった。一連の事故で、接触した列車を含む4本が最大40分遅れ、約70人に影響した。
(引用終わり)
この件は、わずか40分の間に3件の衝撃という異常性から、毎日・読売といった全国紙でも記事化されてしまいました。利用者としてはもはや日常茶飯事であり、「またか」「そんなもんだ」のような思いもありますが、年間100件を上回る慢性的な鹿衝撃と遅延・運休の発生は交通機関としての信頼を損ね、利用者の満足度を低下させる由々しき問題と言わざるを得ません。
JR西日本広島支社も鹿笛の設置や深夜帯での列車減速などの対策を講じておりますが、あまり効果が上がっていません。他社の取り組みとして鹿衝撃緩和装置の設置(JR東海→参考リンク)、鹿が鉄分を求めて線路から出る鉄粉を舐めに来るという説に基づいた鹿誘引剤と柵を組み合わせたシステム(日鉄住金建材→参考リンク)などがあり、JR西日本にも導入を検討していただきたいものです。
また、行政においても農業施策と並行して交通政策としても鹿対策を展開することが望まれます。
鹿による農業被害は拡大傾向にあり、広島市だけで8.4ヘクタール・年間1400万円の被害がある(平成24年)とされています。農業施策として鹿駆除の拡大が図られています(26年度駆除目標1300頭→28年度1900頭)。鹿猟に対する補助金(懸賞金?)、ハンターの養成推進など、鹿撃ちの拡大に資する政策が期待されます。また、白木山山系における「鹿撃ちツーリズム」(猟銃初心者へのガイド、猟銃体験、食肉加工の見学・実践・商品開発)への発展などもできないものでしょうか。