娘たちを連れてやってきたのは、吉田口駅から徒歩10分ほどの、元祖谷上(たにがみ)農園さん。
開業1900年、116年の歴史を持ち、毛利家御用達の名水・皈来庵水で育てた美味しい梨が売りの観光農園だ。
吉田口の駅からまっすぐ県道37号線に出て、左(広島市方向)に進み次の信号を右へ。
江の川の支流、戸島川を渡って少し丘を登る。駅から歩いて概ね10分で到着だ。
段々畑に梨の木がずらっと並ぶ。樹上に見えるのは梨の実ではなく、たくさん赤い袋だ。
袋の中では、袋に守られた梨の実がもがれるのを待っている。
袋の色は梨の品種ごとに違うそうで、赤い袋は新興梨、黄色い袋は二十世紀梨。
この他にお盆頃に出荷される早生の「愛甘水」、オーソドックスな赤梨「豊水」、晩生の「晩三吉(おくさんきち)」が栽培されている。
こちらでは、通常の梨狩りができるのは豊水と二十世紀。新興での梨狩りは予約限定なんだとか。
入園料800円を支払い、もいだ梨を入れるかごとプラスチックナイフ(別売り10円)を受け取り、スタッフさんの案内で梨畑へ。
畑へ下る坂の途中に、1本だけで生えている梨の古木。こちらは開園当初(1900年)から植わっている晩三吉とのこと。川向こうの芸備線、その全身の芸備鉄道よりも古いということになる。
梨畑に入る。
背の低い梨の木は、古い木だそうだ。人の手で収穫しやすいように、低く育てられていた。
逆に新しい木は背が高い。こちらは機械での収穫に対応するため、樹下に機械が入れるだけの高さが必要とのこと。
だから、ここでの梨狩りには古い木の方が向いている。背の低いうちの娘でもゆうゆう梨がもげるし、スタッフさんいわく「幼稚園児でも手が届くところに梨がたくさんあります」だそうな。
枝についた梨を、持ち上げるように動かしてやると実に簡単に枝から離れてくれる。袋をはずし、皮を剥く暇も惜しんでそのままかぶりついてやると、溢れた果汁が手を伝って落ちる。口の中にはシャクシャクとした食感と独特の香気を持った甘い甘い果汁が満ちる。今年食べたどの梨よりも美味い。流通・保存でくたびれていない梨というのはかくも美味いものかと驚かされる。
たちまちのうちに梨ひと玉が芯だけとなり、皮入れバケツ行きに。すぐ次に行きたいところだが、娘たちが皮剥きにあずっているので手伝ってやらなければ・・・
●今回の訪問先●
「元祖谷上農園」
〒739-1103 安芸高田市 甲田町下小原3401-1 (芸備線吉田口駅から徒歩10分、駐車場有り)
TEL/FAX:0826-45-3080
梨狩りは、豊水と二十世紀が対象で、2016年の場合9月3日~10月2日の営業。
新興梨(10月初~中旬)は予約に限り梨狩り対象とのこと。
営業時間 10:00~16:00
入園料 小学生以上 800円 4歳以上の未就学児 400円
食事の持ち込みOK。
食事・バーベキュー用の屋根付きスペースがあり、七輪のレンタルは大型1500円/台、小型1000円/台。
食材とのセットではなく、七輪単体の料金設定なのが嬉しい。
梨と飲み物は現地販売有り。