安芸矢口駅、2020年までにバリアフリー化か

2011年3月に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」に基づく「移動等円滑化の促進に関する基本方針」(バリアフリー基本方針)が改正され、バリアフリー化の対象が1日平均利用者数(乗降数)が5,000人以上の駅から3,000人以上の駅に拡大されました。

広島市内の芸備線では、下深川・安芸矢口・戸坂の3駅がバリアフリーの対象となりましたが、山陽本線や可部線の駅のバリアフリー化が先行して進められ、芸備線での取り組みは遅れていました。しかし、2015年10月20日に行われた広島市議会平成26年度決算特別委員会で、山内市議(社民党)の質問に対して、平野交通施設整備担当課長から以下の答弁がありました。

「芸備線の安芸矢口駅につきましては,1日当たりの平均利用者数が,平成25年度で約4,000人と比較的多く,地元からもバリアフリー化の要望があることから,JR西日本に対しバリアフリー化を働きかけております。安芸矢口駅は現状のホーム幅が狭く,バリアフリー化に当たってはホームの拡幅に伴い線路の配線を変更するなど多額の事業費を要することが想定されることから,交通バリアフリー基本構想を作成し,国と連携し,JR西日本に対し支援を行っていく必要があると考えております。現在,安芸矢口駅のバリアフリー化の整備時期について,JR西日本と協議調整を行っているところであり,基本方針の整備目標年度である平成32年度末までに駅のバリアフリー化が図られるよう基本構想を作成していきたいと考えております。」(議事録から、着色は安芸矢口企画)

これを受けて、2016年から安芸矢口駅・下深川駅のバリアフリー化に向けた具体的な動きが始まりました。11月に、バリアフリー基本構想作りのためのワークショップとタウンウォッチング開催が発表され、参加者の募集がありました。これらは、行政からの視点だけではなく、地域住民の視点を入れて、駅に存在するバリア、駅からアクセスされる地域の施設・店舗等とその動線、想定される動線に存在するバリアを把握しようとするものです。

2016年12月18日には第1回のワークショップ、2017年1月21日にはタウンウォッチングが開催されました。安芸矢口企画の王舞がこれに参加しましたので、リンク先をご覧下さい。

鉄道を利用する時は、当然発駅があって、着駅があるわけで、このどちらか片方だけ(主要駅のみ等)がバリアフリー化されても意味はありません。安芸矢口駅について、市が「ホームの拡幅に伴い線路の配線を変更するなど多額の事業費を要する」にも関わらずバリアフリー化を進められることに大きな喜びを感じざるを得ません。安芸矢口企画としても、地域団体としてこのバリアフリー化がより良くなるよう、知恵を出して行きたいと思います。